美人の秋田(附・秋田美人と民藝)

昭和4年、昭和28年に秋田で刊行された花柳界雑誌がカストリ出版の渡辺豪さんと当店店主・ 小松和彦の手によって復刻出版されました。

『美人の秋田』(附・秋田美人と民藝)
・仕様:B5版 / 70ページモノクロ
・原著発行:昭和4年
・定価:¥1,296(税抜¥1,200) 

東北を代表する花街であった秋田市川反。その近郊で暮らしていた一人の文学青年によって、今から約90年前、秋田県の花柳界を扱う雑誌が刊行された。
青年の名は山田憲三郎。山田は新聞記者時代の経験を活かし、地元新聞人や文芸家を執筆陣に迎え、花街のガイドブックではない、読み物雑誌としての一冊を完成させた。それが『美人の秋田』である。

■附録として戦後昭和28年の花柳界雑誌をカップリング
『美人の秋田』にも寄稿している小松宗司が戦後に発行した『秋田美人と民藝』。現在、どこの公立図書館にも収蔵されていない「幻の雑誌」である。川反、土崎の人気芸妓を写真入りで紹介している他、秋田の遊郭史について展望した記事などを収録している。

■見どころは写真や記事の他にも
二冊とも広告を数多く掲載。料理屋、芸妓置屋、カフェーの他、秋田では誰もが知る商業施設や酒造会社なども。まさに昭和4年、昭和28年の秋田を切り取った雑誌といえよう。

■稀有なクリエイター・山田憲三郎
巻末に収録した小松和彦(小松クラフトスペース)による解説では、『美人の秋田』の編集兼発行人である山田憲三郎の子孫にインタビューし、山田のひととなりについても紹介。文芸、絵画を嗜む市井の文化人、そして興行師でもあった山田の人物像を家族の証言や資料などから読み解く。

 『美人の秋田』を復刻することになったきっかけは2016年の3月、私がカストリ出版主宰の渡辺豪さんと一緒に入った古本屋でこの原本を偶然見つけたことでした。何気なく開いてみて、編集発行人が山田憲三郎であることに驚きました。その名前は戦前、戦後の興行、映画館関連の資料でよく目にしていたからです。

 山田憲三郎とはどんな人物であったのか。どうしても知りたくなり、この年の夏に調査を開始しました。幸い山田の息子さん達とお会いすることができ、ご協力を得ることができました。明治生まれ大正育ちのモダンボーイで、文芸、絵画を嗜む市井の文化人、そして興行師でもあった山田。本書を復刻したのは昭和の秋田の花柳界を知る貴重な資料というだけではなく、この稀有な市井のクリエイターを是非知って欲しいと思ったからです。私が担当した巻末の解説には彼のひととなりについて知り得たことを記しております。

 本書の見どころの一つは数多く掲載されている当時の広告。秋田ではお馴染みのあのお店やあの酒屋さんも。花街、遊廓ファンのみならず、昭和の秋田に関心のある方であれば間違いなく楽しめる一冊です。

(小松和彦)
販売価格
1,296円(税96円)
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